【撤回】虚偽?北の国から届いたブルーベリー「機能性表示食品」表示を取り下げ

世の中には、目にいいサプリに限らず数多くの健康食品が流通しているのはご存知の通り。

ほとんどの製品は問題ないのですが、ほんの一部、消費者に誤解を与えてしまうような表現や誇大広告をしているような商品もあるのが現実です。

今回はそんな中でも「北の国から届いたブルーベリー」を巡ってのウソ?問題についてまとめてみます。

「北の国から届いたブルーベリー」とは

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そもそも「北の国から届いたブルーベリー」とは、目にいいサプリとして知名度があり、俳優の船越英一郎さんも愛用していることが知られています。

実際に私も自腹で購入し、飲んでみました。実際に飲んでみての「北の国から届いたブルーベリー」口コミ・レビューはこちら。

アントシアニンが豊富であること、1袋2,000円程度であることなどもあり、継続的に飲んでいた方も少なくないのではないでしょうか。

そんな「北の国から届いたブルーベリー」ですが、2016年秋、『機能性表示食品』という表示を巡ってトラブルが起きていました。

 

突然、1通の手紙

2016年11月初旬頃、自宅に1通の封筒が届きました。

「北の国から届いたブルーベリー」の製造販売元である八幡物産株式会社からでしたので、また新商品の案内チラシかな~と思っていました。

しかし、開けてみてビックリ。ちょっと重い内容でした。

これが実際に入っていた手紙。
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拡大してみたところ。2016-11-22-17-31-27

 

手紙の内容をものすごくザックリまとめてみると・・・

「目の疲労感」を改善するには科学的根拠が弱かった。これまではパッケージに『機能性表示食品』と表記していたが、これからはもう表示しない。

というような趣旨です。※多少、強引な要約です。

現在は以下写真のようにパッケージに「機能性表示食品」と書かれていますが、今後はこれをなくすということです。kinouseikitanokuni

よくよく調べてみた

今回の手紙を受け、私自身気になってしまったので、改めて色々と調べてみました。

「機能性表示食品」とは

そもそも機能性表示食品とは、

事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。販売前 に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたもの です。ただし、特定保健用食品とは異なり、消費者庁長官の個別の許可を受けたもの ではありません。

出典:消費者庁

とあります。

簡単に言うと、「どんな機能があるのか、どんな効能が期待できるのか」を明示することで、消費者にとってわかりやすく商品選択できるようにした食品のこと、です。

しかしながらここで注意しないといけないのが、「消費者庁の許可を受けている」のではなく、単に届け出がされた食品であるという点です。

少し大げさに言えば、とりあえず届け出さえしてしまえば、「機能性表示食品」として明示することも容易であるということです。

今回の「北の国から届いたブルーベリー」も、もしかしたら、そのような “とりあえず出しておけ” という姿勢があったのかもしれません。

※機能性表示食品については以下記事でさらに詳しく解説しています。

【目のサプリ】機能性表示食品の意味とは?トクホとの違いや注意点、審査の有無について
機能性表示食品とは 機能性表示食品とは、わかりやすく簡単にひとことで言うと、普通の一般食品に比べて「より効果が期待できる食品」のことです。 その名の通り、機能性(効果)をパッケージなどに表記している食品のことで、極一部の健康食品...

裁判訴訟にまで発展

今回の問題において、ことの発端は日本アントシアニン研究会からの指摘です。

簡単に言うと、効果などについて科学的根拠がないにも関わらず「北の国から届いたブルーベリー」が「機能性表示食品」を表示していることに対して、問題視。

届け出の撤回を求めたものの応じないため、東京地方裁判所に申し立てをしたとのことです。詳しくはこちらのページに載っています。

上述した手紙の内容には、日本アントシアニン研究会や裁判についての事実は一切触れられていませんでしたが、これらを受けての対応であることはほぼ間違いないでしょう。

製造販売元の実態

「北の国から届いたブルーベリー」の製造販売元である八幡物産を調べてみました。

以下、会社概要です。

会社名 八幡物産株式会社
住所 鳥取県米子市二本木498-2
設立年月日 1975年9月4日
資本金 4,800万円
従業員数 108名
役員 代表取締役  八幡 清志
取 締 役  澤田 英樹
取 締 役  柴田 裕一
監 査 役  井上 卓也
事業内容 健康食品の製造、卸売、小売販売、輸出入及び販売代理店業
化粧品の製造、卸売、小売販売、輸出入及び販売代理店業
医薬部外品の製造、卸売、小売販売、輸出入及び販売代理店業
ペット向けサプリメントの製造、卸売、小売販売、輸出入及び販売代理店業
主な商品 ローヤルゼリー粒ゴールド800
国産グルコサミン
北の国から届いたブルーベリー
鎮江の黒香醋
熟成にんにく卵黄
高鉄・高亜鉛クロレラ
緑王クロレラ
マダムローヤル800
ムッシュローヤル800
国産サメ軟骨カルシウム
フィッシュコラーゲン・ピュアラ
プロポリス粒
体にうれしいマルチビタミン
にんにくと卵黄と納豆酵素
主な加入団体 公益社団法人 日本通信販売協会
一般社団法人 全国ローヤルゼリー公正取引協議会
公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
日本ブルーベリー協会
西日本化粧品工業会
取引銀行 鳥取銀行米子支店
山陰合同銀行米子東支店
米子信用金庫本店

サプリや青汁などの健康食品、スキンケアなどの化粧品など多岐にわたって商品展開していますが、その販売手法は主に通信販売。

ネット通販はもちろん、テレビショッピングやラジオを通してでも行われています。

真の “問題”

今回問題になった「機能性表示食品」表示の有無。

もちろん科学的根拠が弱いにも関わらず表示していた八幡物産側にも非がありますが、消費者庁にも少なからず問題があるのではないでしょうか。

届け出はあるものの、消費者庁がそれらを厳密に審査しているわけではないということです。

勝手に届け出だしてもらって、あとは知らん顔・黙認という風潮がもしかしたらあるのかもしれません。

機能性表示食品と似たところでいうと、トクホ(特定保健用食品)がありますが、こちらは消費者庁の許可が必要です。

許可の必要のない “それっぽい表示” は、かえって消費者を混同させるだけですので、機能性表示食品はそもそも世の中から撤廃してもいいのではないか、と個人的には思っています。

絶対的な商品アピールの称号がほしいのであれば、トクホを取るしかない。

そんなルールの方が消費者にとって嬉しいでしょうし、結果的に健康食品市場の拡大と活性化にも繋がるのではないかと思います。

透明性と健全な業界ルールが、いまこそ求められているのかもしれません。

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