機能性表示食品とは
機能性表示食品とは、わかりやすく簡単にひとことで言うと、普通の一般食品に比べて「より効果が期待できる食品」のことです。
その名の通り、機能性(効果)をパッケージなどに表記している食品のことで、極一部の健康食品やサプリ、栄養ドリンクなどが該当します。
消費者庁では、以下のように説明されています。
事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものです。ただし、特定保健用食品とは異なり、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではありません。
出典:消費者庁
しかしながら、機能性表示食品については、表示内容や効果については注意すべき点がいくつかあります。
トクホとの違い
よくトクホ(特定保健用食品)と比較されますが、「審査や効果」の度合いが違います。
わかりやすいイメージで言うと、トクホの方が“レベルが高い”です。
現在の日本においては(2017年8月)、食品の中でもっとも厳しい審査が必要で、且つもっとも効果が期待できるのが、トクホです。
機能性表示食品は、トクホよりも審査が緩く、効果も保証されていません。
トクホと機能性表示食品の比較表
名称 | 特定保険用食品(トクホ) | 機能性表示食品 |
施行年 | 1991年 | 2015年 |
マーク | ||
表示 |
|
|
国の審査 | あり 消費者庁長官が許可 |
なし 消費者庁長官の許可は不要 ※企業の責任で消費者庁に届出のみ |
有効性/機能性の評価 | ヒトでの試験を実施し科学的に根拠を示す | 文献や論文を引用することによって科学的に根拠を示す |
届出内容の公開 | 企業は届出情報を公開しなくてもよい | 企業は届出情報を公開しなければならない |
認可されている領域 |
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(左記以外の一例)
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表記可能例 | 「脂肪の吸収を抑える」 「お腹の調子を整える」 |
「脂肪の吸収をおだやかにする」 「目の健康維持に役立つ」 |
認可されている商品数 | 1203点(2016年時点) | 612点(2017年時点) |
代表商品例 | ヘルシア(花王) | えんきん(ファンケル) |
違いのポイント
大きな違いは、以下の3つです。
国の審査
なんと言っても一番の大きな違いはここ、国の審査の有無です。
上記表の通り、トクホは消費者庁の許可が必要です。つまり企業が届出た内容に対して、しっかりと厳格に審査され、合格した商品のみがトクホとして認められます。
一方の機能性表示食品の場合、消費者庁の許可は必要ありません。企業はあらかじめ定められた様式に沿って国に届出をしますが(販売の60日前まで)、その内容については審査されないのです。
従って機能性表示食品は、その商品が「本当に機能(効果)があるのか?」については保証されておらず、製造元である企業の責任において届出がされているにすぎないのです。
語弊があるかもしれませんが、荒っぽい言い方をすると、機能性表示食品は「とりあえず届出さえしておけばOK。内容はチェックされない。」ということなのです。
有効性/機能性の評価
続いて、有効性や機能性(効果)を証明する方法も異なります。
トクホは最終商品によるヒトでの試験を必ず実施し、その中で科学的に効果が認められる根拠を示す必要があります。
対して機能性表示食品は、ヒトでの試験は必ずしも必要ではありません。研究論文などのデータを引用するだけで(つまり独自試験を実施しなくても)、根拠を示したことになるのです。
言うまでもなく、トクホの方がその効果については信憑性が高いです。
表記可能の度合い
またCMやパッケージで表現できる度合いにも違いがあります。
トクホは上記表のように効果について”はっきり言い切る”ことができますが、機能性表示食品は“あいまいに”しか言えません。
これは消費者庁の審査を経ていないこと、また科学的根拠が乏しいことなどが理由であり、機能性表示食品は効果については、それっぽいニュアンスでぼかして表現するしかないのです。
機能性表示食品の課題点
すでにお気付きかと思いますが、機能性表示食品には現状、課題点があります。
国(消費者庁)の審査不要であること、論文引用だけでもOKなことなど、トクホよりもハードルが低いのです。
ガイドラインなどはある程度は定められているのもの、最終的には「企業側の判断と責任」になり、国は届出内容については触れていないのです。
その結果、科学的根拠の示し方などについては消費者団体などから批難されることもあります。
実際に科学的根拠が乏しいという理由で、日本アントシアニン研究会が「北の国から届いたブルーベリー」の対して、厳しく避難した事例があります。
「目のサプリ」機能性表示食品
このようなネガティブな側面もある機能性表示食品ですが、目のサプリでもいくつかが該当しています。
- えんきん
- スマホえんきん
- めばえ
- ルテイン光対策
- くっきりルテイン
- 青い瞳
- グミサプリ めぐみアイ
- アイジャスト
- クリアアイ
- アイノウ
ファンケル「えんきん」
本品には ルテイン・アスタキサンチン・シアニジン-3-グルコシド・DHAが含まれるので、手元のピント調節機能を助けると共に、目の使用による肩・首筋への負担を和らげます。
ファンケル「スマホえんきん」
本品にはビルベリー由来アントシアニンが含まれます。ビルベリー由来アントシアニンは、日頃からスマートフォンやパソコンなどで目を酷使する作業時に、目の焦点を合わせやすくすることで、目の疲労感を緩和する機能が報告されています。
やわた「めばえ」
本品にはルテインが含まれます。ルテインには目の黄斑部の色素量を維持する働きがあり、ブルーライトなど光の刺激からの保護や、コントラスト感度の改善によって、目の調子を整える機能があることが報告されています。
DHC「ルテイン光対策」
本品にはルテインが含まれます。ルテインはブルーライトの光刺激から眼を守る色素成分であり、眼の黄斑色素濃度を高めてコントラスト感度を維持・改善し、眼の調子を整えることが報告されています。
リフレ「くっきりルテイン」
本品にはルテインが含まれます。ルテインには網膜の黄斑色素を増やして光刺激から目を守ったり、目のコントラスト感度(かすみやぼやけの解消によりくっきりと物を視認する感度)を改善させることで、視覚機能を維持する作用が報告されています。
青い瞳
本品にはルテインが含まれています。ルテインには黄斑色素光学密度を増やし、ブルーライトの刺激から目を保護し、コントラスト感度を改善することが報告されています。
グミサプリ めぐみアイ
本品にはルテインが含まれます。ルテインには目の黄斑の色素密度を上昇させる働きがあり、日常生活におけるブルーライトなどの光の刺激から目を保護することが報告されています。
アイジャスト
本品にはアスタキサンチンが含まれます。アスタキサンチンは眼のピント調節機能を助けることと、パソコン作業などによる疲労感を軽減※することが報告されています。
※ピント調節機能を助けることで眼の疲労感を軽減
クリアアイ
本品には、ルテイン、ゼアキサンチンが含まれます。ルテイン、ゼアキサンチンには、加齢などによって減少する目の黄斑部の色素量を上昇させる働きがあり、ブルーライトなどの光の刺激からの保護により、コントラスト感度(ぼやけの解消により物を識別する感度)が改善するため、目の調子を整えることが報告されております。
アイノウ
本品にはビルベリー由来アントシアニンが含まれます。ビルベリー由来アントシアニンは、VDT作業(パソコンなどのモニター作業)で目をよく使うことによるピント調節機能の低下を緩和し、目の調子を整えることが報告されています。
まとめ
施行されて25年以上にもなるトクホと比べ、誕生したばかりの機能性表示食品は、まだまだ課題点が残ります。
目のサプリでも上記で紹介したような商品がありますが、機能性表示食品だからといって必ずしも「効果が高い」わけではありません。
機能性表示食品ではないサプリでも十分に効果が高いものがありますので、しっかりと成分量や口コミ評判などの情報も判断材料にしてください。
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