日焼けって肌だけではなく、目も焼けてしまうことをご存じでしょうか?
焼けないように肌をケアする方は多いですが、ほとんどの方が目は無防備ではないでしょうか。
今回は目の日焼けについて、症状や原因、治療・予防方法などを紹介します。
【症状】目が日焼けするとどうなるのか?
よくある症状
目が日焼けすると、以下のような症状が出ることが多いです。
- まぶたの裏が赤い
- 充血
- 頭痛
- 涙がよくでる
- 目がしみる
- しょぼしょぼ
- ゴロゴロ
- ヒリヒリ
- ドライアイ
一般的な目の疲れや眼精疲労、花粉症などによる症状と似ています。
しかしながら、これらの症状が出る前に強い日差しを浴びているのであれば、目の日焼けである可能性が高いです。
悪化すると目の病気に
目の日焼けが重症化すると、以下のような眼病を発病する可能性もあります。
結膜炎
白目(しろめ)部分を覆っている薄い膜(結膜)が炎症を起こしている状態です。
白目が充血してしまうことが多く、目やにもよく出るようになります。
白内障
モノを見るためにカメラレンズの役割を果たしている水晶体が、紫外線を浴びることによって傷つき、水晶体が白く濁ってしまう病気です。
水晶体は新陳代謝をしないため、傷ついてしまった細胞が生まれ変わることが難しいのです。
※白内障については以下記事で詳しく解説しています。
翼状片
黒目の中に白い膜が三角形状にできてしまう病気です。
白い膜の正体は、白目部分を覆っている結膜であり、紫外線によって白目と黒目の境界が傷ついてしまうことで起こります。
※翼状片は以下記事でもまとめています。
雪眼炎、ゆきめ
強い紫外線を浴びることで黒目の表面が傷つき、炎症が起きてしまいます。
スキー場のゲレンデ、雪山登山の照り返しなどで起こることが多い、紫外線角膜炎の一種です。
電気性眼炎
太陽光ではないですが、溶接によって発生する紫外線で発症します。
角膜の表面が傷つき、充血や痛み、まぶしさなどの症状を引き起こします。
【原因】なぜ目が日焼けするのか?
状況
目の日焼けが起きる状況としては、以下のようなシーンです。
- 子供の部活
- 屋外イベント
- サーフィン
- 釣り
- スキー・スノーボード
- テニス
- サッカー
- ゴルフ
- 南国旅行
- 体育祭
- 日サロ
ここで挙げたのはほんの一例であり、強い太陽光を浴びるようなシーンなら、どこでも目が日焼けしてしまう可能性はあります。
日焼けのメカニズム
目の日焼けは、紫外線による強い刺激を受けた目の細胞が傷ついてしまうことが原因です。
日焼けした肌は黒くなりますが、あの現象も実は肌内の細胞がダメージを受けている結果です。
日焼けのメカニズムは以下の通りです。
細胞内のメラノサイトという部位が、紫外線を浴びることによってダメージを受け、メラニンという色素を出します。
このメラニン自体が黒褐色をしているので、日焼けをした肌が黒く見えます。
目は肌のように黒くなることはありませんが、同様に紫外線を浴びると、目の細胞も損傷を受けます。
目が焼けると、全身も焼ける
少し話が脱線しますが、目が日焼けすると、肌も日焼けします。
これは目の角膜が紫外線を感知すると、「ピンチ!メラニン色素を出せ!」という司令を脳が勝手にするからです。
つまり、いくら肌が日焼けしないようにケアをしていたとしても、目が無防備だと、結局は肌が黒っぽくなってしまうことがあるのです。
【治療対策】目が日焼けしてしまったら?
目が日焼けしてしまったら、以下のような対策をしてみてください。
目を休ませる
目の日焼け症状を感じたら、まずは目を休ませることが最優先です。
目をつむって安静にするのが望ましいですが、お仕事中などで難しければ、スマホやパソコン作業を控えるだけでもOKです。
冷やす
ほてりや痛みを感じた時には、冷やしてあげると楽になります。
冷たいおしぼりや水に濡らしたタオル、保冷剤を含んだタオルなどを目の上に乗せてしばらく休憩してください。
目薬
紫外線による炎症・充血に特化した目薬があります。
特に有名なのは、
- ロートUVキュア(ロート製薬)
- バイシンUV(武田薬品)
- ノアールUV(佐藤製薬)
などで、目の日焼けに常に悩まされているサーファーの間でも重宝しているようです。
どれも1,000円前後で購入できます。
【予防】目の日焼けを防ぐ6つの方法
目が日焼けしないように予防する方法を紹介します。
朝・夕は注意
いきなり方法ではないのですが、朝・夕の太陽光には特に注意してください。
日中(12時前後)の太陽は真上にあるため、目の中に紫外線が入ってきにくい時間帯です。
しかしながら、朝・夕は太陽が低い位置にあり、紫外線が目に入って来やすくなります。
目を日焼けさせないために、特に朝・夕の時間帯は注意してください。
帽子
手軽にできる予防方法としては、帽子です。
ツバがしっかりしており、目元付近に影を作ってくれる帽子が望ましいです。
子供も同様に目の日焼けはしますので、出かける際は子供にも被らせてあげるとよいです。
サングラス
サングラスによって紫外線カットする予防方法も効果的です。
言うまでもなく、サングラスは刺激の強い光から目を保護してくれるので、目が日焼けすることを防いでくれます。
サングラスレンズの色が濃すぎる(暗すぎる)と、瞳孔が広がり余計に紫外線を吸収してしまう可能性があるので、薄めの色を選ぶと良いでしょう。
ちなみにオゾン層の破壊が懸念されているオーストラリアの一部では、地上に降り注ぐ紫外線の量が多く、2007年から小学生にサングラスの着用が義務付けられています。
UVコンタクト
紫外線カットしてくれるコンタクトを着用することも、予防の一つになります。
しかしながら、眼鏡を使っている方や、そもそも裸眼の方にとっては現実的ではない方法です。
ビタミン類
目にいい成分と食事から摂り、体の中からケアするという予防です。
特に目の日焼け予防として効果があるとされているのが、以下のようなビタミン類です。
- ビタミンA:角膜・網膜の細胞を保護(うなぎ・レバー・にんじん・小松菜など)
- ビタミンB2:目の充血を抑制(豚レバー・チーズ・うなぎ・卵など)
- ビタミンB6:目の炎症を抑制(大豆・牛乳・シャケ・マグロなど)
ルテイン
目を守ってくれる成分として、ルテインがより効果に期待ができるとされています。
ルテインは「天然のサングラス」と呼ばれており、紫外線などの強い光から目を保護する働きがあり、日焼けするのを防いでくれます。
マリーゴールドやケールに多く含まれている成分ですが、食事で摂取するのはカンタンなことではないので、サプリで摂取するのが手軽で効率的です。
まとめ
肌の日焼け同様、目が日焼けするのは、夏の時期や天気のいいの日だけではありません。
曇り空のような天気だとしても、紫外線は地上に降り注いでいますので、少なからず目も紫外線を吸収しています。
上記でご紹介したような病気の原因を作らないためにも、日頃からこつこつケアしておくことが最も大切です。
症状が気になるようであれば、かかりつけの病院で早めに診断してもらうと良いでしょう。
※眼病・目の症状については以下についてもまとめています。
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