【夜盲症の原因/治し方】なぜアントシアニンで症状改善?ビタミン不足やロドプシンはサプリで対策?

このページは、職歴10年の薬剤師によって執筆されています。

夜盲症(やもうしょう)とは

夜盲症は鳥目(とりめ)ともいわれている視覚障害の一種です。明るいところでは問題なく見えるのですが、周囲が暗くなるとモノが見えづらくなるというのが主な症状となります。

光を感知する桿体細胞(かんたいさいぼう)の機能不全が原因ですが、その病状や発生原因などによって先天性や後天性などの名称で分類されます。

夜盲症の状態は人によってまちまちで、軽度の場合には生活に問題を感じる場面は少ないものですが、重度の場合には歩行が困難になることもあるため、暗所のみの症状だからといって軽んじてはいけない疾患です。

症状(種類)

先天性夜盲症

先天性夜盲症は、その原因や症状によってさらに進行性と停止性に分類されます。進行性先天性夜盲症では網膜色素変性症が代表的な疾病となります。

網膜色素変性症は遺伝性の疾病で、網膜における視細胞が徐々に変性していくことで視力低下をきたすことが主な症状です。初期には夜盲症を主な症状としますが、加齢によって白内障などが合併してしまえば、最終的に失明してしまう可能性が高いと言われています。

停止性先天性夜盲症では、小口病が代表的なものであり、近親婚を繰り返すことによって劣性遺伝子が発現してしまうことにより発症します。

小口病患者は暗順応に掛かる時間が極めて長いことから夜盲症の症状が現れますが、加齢による悪化などはあまり見られません。

現代日本ではあまり発症することはなくなったため、先天性夜盲症といえば、ほぼ網膜色素変性症を指すと考えることができます。

※網膜色素変性症については、以下で詳しく解説しています。

網膜色素変性症(もうまくしきそへんせいしょう)にはヘレニエンやルテインサプリが効果的?進行を食い止める方法を解説しています。

後天性夜盲症

後天性夜盲症は栄養素の不足などによって桿体細胞の暗順応が遅延してしまうことにより発症しています。

光感知が鈍くなることから、夜間や暗所での視力低下をきたしてしまうのが主な症状です。栄養素の不足の他にも、強度の近視や緑内障など、他の病気の影響によって発症する場合もあります。

原因

夜盲症となる原因は先天性と後天性で異なります。

先天性の夜盲症では、遺伝が主な発生要因となって網膜に何らかの異常をきたし、光を受容する黄斑部分が満足に機能できていないことが直接の原因なのです。発生原因は明確になっていない部分が多く、近親婚による劣性遺伝子の発現が原因となるほかにも、そういった要因がない人でも発症する場合もあります。

後天性の場合には、主な原因は栄養素の不足です。人間の目が光を感知するのは、網膜の中にある桿体細胞の働きによります。桿体細胞には光の刺激によって構造を変化させ、視神経に刺激を伝えるロドプシンが含まれており、このロドプシンを構成している主な成分がレチノール(ビタミンA)なのです。ビタミンAが不足するとロドプシンの働きが十分にできなくなってしまうため、暗順応の遅れが生じ、夜盲症となってしまいます。

治療・予防

先天性夜盲症の場合には、現在でも有効な治療方法は存在していません。暗順応を改善するような医薬品の使用や、低視力を補助する器具などで対処することが主な治療となります。

後天性夜盲症の場合では、その原因に応じて治療を行います。ビタミンAが不足しているのなら、ビタミンAを補充する医薬品を用い、その他の疾患から影響されて発症しているのなら原因疾患を治療することになります。

後天的に夜盲症とならないためには、あらかじめビタミンAに準ずる栄養素を必要量摂取しておくことで予防可能です。

ビタミンA

ビタミンAはレチノール、レチナール、レチノイン酸などの栄養素の総称です。先天性、後天性に縛られず、夜盲症の治療ではまずビタミンAを使用することになります。

ビタミンAはロドプシンの働きを活性化する作用があるため、暗順応の改善に効果が期待できるためです。医薬品としては、夜盲症に適応のあるモノは「チョコラA」がそのままビタミンAを配合している医薬品となります。

ビタミンAは親油性のビタミンであるため、過剰に摂取した場合には過剰症を起こしてしまうことが知られており、胎児に対する催奇形性がある為に注意を要する医薬品です。

サプリメントなどを用いる場合には、安全性の高いビタミンA前駆物質のβ-カロテンを用いることが推奨されます。β-カロテンの場合には、過剰に摂取したとしても必要量のみがビタミンAに変換され、過剰分は体外に排泄されることで安全性が高いことが知られています。

アントシアニン

アントシアニンはロドプシンの再合成を促進する効果を持っているため、暗順応をスムーズに行うことをサポートする能力を持っています。

光刺激を人間の目が感知すると、ロドプシンが分解されてレチノールとオプシンに分離してしまいます。このレチノールとオプシンの再結合を促進する効果がアントシアニンには知られており、夜盲症における暗順応の遅延に作用を発揮することが期待できます。

すでに発症してしまっている夜盲症での効果や、先天性夜盲症への効果は研究されていないために明確には不明ですが、作用機序から考えれば効果が期待できる成分の一つなのです。

※アントシアニンについては以下で詳しく解説しています。

アントシアニンはポリフェノールの1種で、現在500種類以上も確認されています。効果効能や摂取方法について解説しています。

まとめ

鳥目と言われる夜盲症は、暗順応が遅れてしまうことによって起きている疾病です。

先天性の場合には完治はできないとされていますが、後天性の場合には適切な治療で改善することができます。暗所での症状であるため、あまり生活には影響がなく、放置されることも多い疾病ですが、放置することで悪化する可能性が高く、他の疾患が原因の場合もあるため軽視はできません。

何か違和感を感じた場合には、速やかに眼科での診察をお勧めします。現代はスマホやパソコンなどの光刺激に溢れているため、普通に生活しているだけでも目を酷使してしまっているものです。もしかしたら、知らないうちに夜盲症予備軍になってしまっているかもしれません

夜盲症はサプリメントや食事などでも予防することができるものなので、心配があるのなら積極的に予防を開始していきましょう。

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