【緑内障の原因/治し方】なぜルテインカシスで症状改善できるのか?眼圧上昇と進行予防の方法

このページは、職歴10年の薬剤師によって執筆されています。

緑内障とは

緑内障は、多くは目の内部圧力(眼圧)が過度に高まったことによって視神経を圧迫してしまい、それによって視神経の萎縮が発生したことで視野の欠損や視力の低下をきたす疾病です。

正常眼圧は10~21mmHgの間であり、それ以上の眼圧となれば緑内障となる危険性があります。日本における失明原因の1位とされており、一度萎縮が起きてしまった視神経は回復しないことから、眼圧のコントロールが非常に重要な疾患だといえるでしょう。

症状(種類)

緑内障の症状は、視野の欠損と視力低下が主なものです。

ただし、人間は視野が欠損したとしても軽度であれば脳が自動で補完してしまうため、自覚できることは滅多にありません。緑内障の症状を自覚できる状態は、かなり進行してしまっている状態なのです。

急激な眼圧の変動(急性緑内障)が起きた場合には、頭痛やめまい、吐き気、目のカスミや痛みを伴うことが多く、早急な対処が必要になります。欠損した視野は回復することはないため、悪化させずに維持することが最大の治療目標となります。

経過が緩やかな正常眼圧緑内障などは慢性緑内障として分類され、急激な眼圧の変動で強い自覚症状が現れる原発閉塞隅角緑内障などは急性緑内障と分類されます。

 

原発開放隅角緑内障

隅角は開いているものの、排出経路が目詰まりを起こしてしまい、房水(ぼうすい、眼球を満たす体液)が排出されないタイプの緑内障です。

眼圧は上昇していますが、隅角から少量ずつ房水が排泄されているために症状の進行が緩やかです。

自覚症状はほとんどなく、悪化してから緑内障であることが判明することが多いもので、遺伝による影響が大きい緑内障です。

正常眼圧緑内障

眼圧は正常の状態であって他に原因疾患がないにも関わらず、視神経の萎縮が発生するタイプの緑内障です。

眼圧の日内変動が激しい場合や、視神経が通常よりも圧迫に対して弱い場合に発症します。

日本人の緑内障では約6割が正常眼圧緑内障であり、自覚症状がほとんどないために悪化してから緑内障であったことが判明することが多い疾病です。

原発閉塞隅角緑内障

隅角部分が虹彩によって塞がれてしまっていることで、房水の排出がされないタイプの緑内障です。

先天的に水晶体と比べて前眼部が小さな人に発症しやすく、何の前触れもなく急激に眼圧が50mmHg以上に上昇する緑内障発作を起こすことが特徴です。

発作が起きた時には、頭痛・悪心・嘔吐などの症状とともに目の痛みや眼球の腫れ・むくみが発生します。

発達緑内障

発達緑内障は隅角の発育不良によって房水の排出がされないタイプの緑内障で、遺伝子の変異によって発生すると考えられます。

生後1歳までに発症する早発型発達緑内障、20歳までに発症する遅発型発達緑内障、他の先天性異常に伴う発達緑内障の三種類に分けられ、主な症状は涙が多く、光に敏感になり、黒目が濁る状態を呈します。

ただし発達緑内障のなかでも、遅発性発達緑内障は穏やかに経過することが多いため、これらの自覚症状がない場合がほとんどです。

続発緑内障

他の病気や医薬品の副作用などによって眼圧が上昇している状態を続発緑内障と呼びます。

続発緑内障は隅角開放型と隅角閉塞型に分けられ、隅角開放型では、疾病や外傷によって炎症が発生することで眼圧が上昇したり、房水の排出経路の目詰まりによって眼圧が上昇しています。

隅角閉塞型では、疾病や外傷による影響で隅角が物理的にふさがれてしまって房水の排出が滞り、眼圧が上昇しています。ステロイド点眼薬の副作用で続発緑内障となった場合は、隅角開放型に分類されます。

原因

緑内障の原因は、遺伝要因や加齢、極度の近視、合併症としての発症などが知られています。

直接的な原因は目の中を循環している房水に関係するものとされています。通常、房水は毛様体で産生されて目の中を通り、虹彩をぐるりと巡って目の端(隅角)からシュレム管や線維柱帯に流れ、血管へと流れていくルートを通ります。

この房水の流れによって目の内部圧力は一定に保たれているのですが、何らかの原因によって房水の流れが滞った場合、眼圧が上昇してしまうのです。

実際には眼圧の上昇がみられなくても緑内障の症状を起こしている場合も見られますが、そういった状態であっても眼圧を低下させることで進行の緩和がみられるため、何らかの関係性があることは明白です。

治療・予防

緑内障の治療は、眼圧を低く保つことによって行います。萎縮してしまった視神経が回復することはないため、現状を維持して悪化させないことが治療の目的となり、早期発見・早期治療が緑内障治療の大原則なのです。

薬物療法

緑内障治療では、点眼薬による眼圧コントロールが基本となります。状態が安定していても、治療を中断した段階でまた進行を始めてしまうため、継続した治療が必須の疾病です。

緑内障の治療に使用される点眼薬は、現在10種類以上存在しており、今も更なる新薬開発が常に行われています。緑内障のタイプや病状、体質などによって使い分けられていきますが、眼圧が高く持続する場合には、複数の点眼薬を併用することでコントロールを目指すこともあります。

点眼のみではコントロールできない場合には内服薬も選択されますが、副作用が出やすいというデメリットがあるため、内服を継続することは稀で、多くは安定した段階で点眼薬のみの治療に変更するなど、工夫をしながら使用されています。

手術(レーザー治療)

緑内障における手術は、レーザーによる処置と切開などによる手術が用いられています。レーザー治療の場合、患部以外に影響は薄いために日帰りでの処置が可能で、身体的な負担も軽く済みます。

虹彩や線維柱帯にレーザー照射することで房水の流出経路を確保するために用いますが、レーザー治療では改善しなかった場合には、房水の排出経路を確保するために線維柱帯を切開する治療などを行います。

現在は治療器具の改善により、治療成績は高くなってきましたが、すべての症例で成功しているわけではなく、感染症の可能性もあり、安易に選択できる方法ではありません。

ルテイン・カシス

ルテインやカシスには、強い抗酸化作用が確認されています。眼圧による視神経の圧迫は、神経細胞に酸化ストレスを与えることにつながり、視神経の萎縮や障害などの状態を引き起こします。

これらの酸化ストレスをルテイン・カシスの抗酸化作用が緩和することによって、緑内障の進行を穏やかにする効果が期待できると言われています。さらにカシスでは、アントシアニンなどのカロテノイド色素が多く含まれており、特に毛様体筋などの血流循環を改善する効果が房水の排出を促進すると言われています。

これによって眼圧のコントロールが容易となり、緑内障の進行を抑制する効果が期待できるのです。

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まとめ

緑内障は放置してしまえば、確実に失明すると断言できる疾病です。

ですが、早い段階で治療を行っていけば、視野の欠損や視力低下を最小限に抑えて維持することもできます。40歳を超えれば、約5%に緑内障は発症しているという研究データもあるため、何か気になることがあれば早めに目の検診を受けていくべきでしょう。緑内障の発症原因は、加齢や遺伝など、様々存在しているので、確実に予防することは困難です。

ただし、普段から抗酸化作用のある食品を摂取することで、悪化を抑制できると言われているため、ルテインやアントシアニンを多く含有した食品を率先して摂取するのは良い影響が期待できます。

※眼病・目の症状については以下についてもまとめています。

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