なぜ目やにが出るの?症状ケース別の原因/対策、赤ちゃん目やにのケア方法

なぜ出るの?目やにの仕組み

人間のカラダは異物が体内に侵入すると、排出しようとする機能があります。

目やにとは「目の液体と一緒に排出された異物のカタマリ」であり、カラダが目を守るための防御反応なのです。

ホコリなどのゴミだけでなく、細菌やウイルスが入ってくるのを防ぐためにも、目やにというバリアを使っています。

鼻水や鼻くそ、咳なども異物を排出するために備わっている人間の機能のひとつです。

目やにの症状と原因

目やには複数の症状があり、原因もばらばらです。

目やにの色 目やにの症状 原因
透明や白 どろどろ ウイルスなどに感染している可能性あり
透明や白 さらさら 花粉などのアレルギー炎症の可能性あり
黄緑色 どろどろ 細菌による炎症の可能性あり
白や黒 さらさら 通常の代謝で出る目やに(※)

(※)の、白や黒の目やにについては心配する必要はありません。ヒトは毎日細胞が生まれ変わっており、この代謝運動の中で、目やにも出ます。

この代謝で出る目やに以外の場合は、次に挙げるような疾患の恐れがありますので、チェックしておいてください。

目やにを伴う疾患

細菌性結膜炎

黄色っぽい膿のような目やにが出るのが特徴的で、充血やかゆみ、涙目やゴロゴロなどの異物感もあわせて発症することもあります。感染力は強くはないのですが、抵抗力が弱い子供や高齢者ではなかなか治らず慢性化することもあります。

ウイルス性結膜炎(はやり目)

ウイルスが原因による結膜炎で、症状はおおよそ細菌性結膜炎と同じですが、のどの痛みや発熱、だるさ、吐き気、下痢などの症状が出る場合もあります。感染力が強いので、会社や学校などでは他人に移してしまう可能性があります。

アレルギー性結膜炎

花粉やハウスダスト等のアレルギー症状にともなう結膜炎で、透明や白っぽい糸をひくような目やにが出ます。強いかゆみが出るのが特徴的ですが、感染力は弱いです。最近ではコンタクトレンズの汚れがアレルギーを引き起こすことも判明しています。

春季(しゅんき)カタル

アレルギー性結膜の重症版が、この春季カタルです。強いかゆみに加えて、まぶたの裏側に白いぶつぶつが出たり、粘り気の強い白っぽい目やにが出ます。特に春~夏にかけて症状が悪化することが多いので、このように呼ばれています。

涙嚢(るいのう)炎

目と鼻をつなぐパイプの役割をして涙道が詰まり、涙嚢という小さな袋が細菌感染を起こした状態です。多量の涙や目やにが原因で詰まることがあり、重症化すると顔の半分が腫れたり、目頭を押すと膿が出るなどの強い痛みが生じます。

※目と鼻は繋がっているため、目薬の味を感じることがあります。

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目やにの予防対策

部屋を清潔に保つ

アレルギー性結膜炎や春季カタルを予防するには、アレルギー源をシャットアウトすることがもっとも効率いい方法です。

部屋をこまめに掃除しチリやホコリを取り除くことはもちろん、花粉シーズンは屋外に洗濯物を干すことは控えましょう。ダニやノミによるハウスダストを防ぐためにも、カーペットは敷くのを止めるかこまめに掃除機をかけてあげましょう。

細菌・ウイルスから目を守る

日常生活でできることとして、

  • 手で目をこすらない
  • 帰宅後は石鹸で手をよく洗う
  • 結膜炎にかかっている人と生活用品を一緒にしない
  • プールから出たらしっかり洗眼
  • コンタクトレンズは毎日しっかり洗浄

などのことがありますので、日頃からしっかりと目を守っておきましょう。

目やにのケア・対処方法

綿棒で取り除く

ピンポイントできれいに取り除くために、綿棒を使うことが理想的です。使ったらすぐに捨てましょう。

綿棒がなければティッシュやガーゼなどで代用しますが、無理矢理にこすると目をデリケートな皮膚を傷つけてしまうので、優しくそっと拭いてあげます。

市販の薬を使う

ドラッグストアなどで売っている目薬で症状を抑えることが期待できます。非常に種類が多いので薬剤師さんに相談しながら決めるといいでしょう。

目やにに特化した目薬も販売されており、たとえばロート製薬「新緑水」などがあります。

病院で診てもらう

自分では症状が治まらない場合は、早めに病院で診察してもらいましょう。

感染力が強い目やにの場合は、自分だけではなく他人にも迷惑をかけてしまうリスクがあるので、手遅れになる前に診てもらってください。

赤ちゃんの目やに

生後0歳~1歳頃まで、赤ちゃんはよく目やにが出ることがあります。片目だけ黄緑の目やにが出ることなどもあり、ママ・パパにとっては心配ですが、多くはカラダの自然な症状です。

なぜ出るの?

赤ちゃんは目と鼻の距離が近く、鼻水が逆流しやすいため、鼻水が目やにとなって出てくることがあります。また脂肪の多いまぶたのせいで逆さまつげになり、目を傷つけてしまう炎症で目やにが出ることもあります。

我が子だけではなく、赤ちゃんに目やにが出ることは自然なことですので、過分な心配をする必要はありません。

どうしたらいいの?

大人同様に綿棒やガーゼ、ティッシュなどで優しく拭き取ってあげます。おしり拭きなどのウェットティッシュはアルコールなどの除菌成分が含まれている可能性があるので、避けておいた方が無難です。

数日経っても治らないようなら病院で診てもらってください。乳幼児用の目薬を処方してもらえます(染みるのか、とても嫌がるのが親としてはツライですが。。)

1歳をしばらく過ぎても慢性的に目やにが出る場合は、上記でも挙げた涙嚢炎の可能性があります。

※うちの娘も1歳になっても目やにが続いており涙嚢炎の疑いがあり、パイプを通して涙道の詰まりを掃除する手術をする可能性もありました。結局その後、自然治癒しています。

最後に

冒頭で述べたように、目やには体外に異物を排出する生理現象なので、普通は心配する必要はありません。

ただし数日間も症状が続く場合は、なにかの病気や疾患の疑いもありますので、早めに病院で診てもらうようにしてください。

腕や足などとは違い、目はとってもデリケートな部分です。

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