【成分解説】ルテインとは?効果や効能、摂取方法は?

このページは、職歴10年の薬剤師によって執筆されています。

ルテインとは

ルテインとは自然界に存在しているカロテノイド色素の一種で、黄色の色素を持っている栄養素です。

緑黄色野菜やマリーゴールドなどの黄色い花、卵黄などに含まれており、光からの酸化を防ぐ役割を持っています。

ルテインは人間の目にも存在が確認されており、光から目を保護する作用を発揮していますが、加齢や食生活の乱れによって徐々に減少してしまい、しかも体内で合成することはできないため、食品やサプリメントなどから摂取する必要がある栄養素なのです。

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ルテインの効果・効能

ルテインは目の中において、光に対するフィルターとして機能しており、光による目へのダメージを軽減する効果を持っています。

眼の組織は、常に紫外線などの光刺激にさらされており、それによって活性酸素やフリーラジカルなどの酸化物質が発生することによって傷害を受けています。

ルテインはその効果によって光による障害を軽減し、白内障や加齢性黄斑などの経年劣化の予防や、ブルーライトからの保護が期待されている成分で、今も研究が進められています。

ブルーライトからの保護

ブルーライトの刺激は活性酸素などの酸化物質を目に産生してしまい、光を感知する目の細胞(桿体細胞)にあるタンパク質(ロドプシン)を変性させることが判明しています。

ルテインは血液中から選択的に網膜に取り込まれることにより、光を吸収する効果によって黄斑を保護し、ブルーライトによるロドプシンの変性を抑制します。

ルテインなどのカロテノイド色素は、440~480nmの波長の光を吸収する性質があり、パソコン・スマホなどから発せられるブルーライトの波長は400~500nmとみられています。

ブルーライトの中でも特に強度が高い波長域は450nm付近と推察されていることから、発せられる波長域の大部分をルテインがカバーしており、特に強度が高い部分の波長域は確実に吸収して、目を保護していることがわかります。

ちなみに、ブルーライトの光は眼精疲労を悪化させるとも言われているため、ブルーライトを吸収して目を保護するルテインは、眼精疲労の予防にも効果を発揮する可能性があるのです。

白内障の予防改善

まず基本的に、白内障は改善するものではありません。医療用医薬品でも進行を抑制することができるのみで、改善するためには手術によって白く濁った水晶体を人工レンズに取り換えるしかないのです。

一部の個人ブログなどではルテインによって白内障が治るような表現がされていますが、過大広告に騙されないようにしてください。ごく一部の例外的な体質を持つ人が、ルテインによって白内障が改善したと報告しているだけなのです。

ルテインが持つ白内障への効果は、抗酸化作用による進行の抑制です。白内障が発生する原因は様々ありますが、多くが加齢による酸化で水晶体のタンパク質が変性してしまうことが原因です。

その他の原因としては、医薬品の副作用、目のケガ、紫外線や熱の刺激などが挙げられますが、すべての原因で言えることは、タンパク質の酸化による変性なのです。

身近な例でいえば「卵の白身を加熱すると透明から白く変性する現象」が目の中でも起きているとお考え下さい。

ルテインはその構造上、目に優先して蓄積します。高い抗酸化作用によって、発生したラジカルや活性酸素を消去し、タンパク質の変性を抑制して白内障の進行を予防する効果が期待できるのです。

※白内障については以下記事で詳しく解説しています。

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緑内障の予防改善

緑内障は眼圧の上昇などによって視神経が圧迫されてしまい、視力の低下や視野の欠け、重症化した場合には失明してしまう危険性がある疾患です。

眼の中を循環している液体(眼房水)が排泄されなかったり、過剰に生産されたりすることで目の中の圧力が上がってしまい、視神経が障害を受けることが原因とされているため、治療は眼房水の循環を改善することによって行います。

治療といっても、すでに傷害を受けた視神経は回復することはなく、悪化・進行をさせないために治療をすることになります。ルテインは視神経が集中している黄斑部に存在して、視神経の傷害を予防する効果を持っています。

さまざまな酸化ストレスに対応できる能力を備えているため、眼圧による神経圧迫のストレスにも対応できる可能性があり、実際にルテインを摂取したことで視野の欠損が回復したという報告もあります。

ただし、その効果は賛否両論あるもので、悪化を予防する程度の効果は期待できても、改善までできるほどの効果は期待できないというのが現在の主流の考え方です。

加齢性黄斑変性の予防改善

加齢性黄斑変性とは、加齢によって黄斑が変性してしまい、視界の歪みや視力の低下などの症状を起こしてしまう病気です。

以前の日本では、加齢性黄斑変性の発症は少なかったのですが、食の欧米化などの影響によって近年患者は増加傾向にあります。

注射や手術などで治療をすることになりますが、一度悪化したものが改善することは非常に困難で、正常な視力に戻ることはないともいわれています。

その詳しい発生機序は明確になっていませんが、ビタミンCやβカロテンなどの抗酸化作用を持つ栄養素を積極的に摂取することによって、予防と進行抑制が期待できるという研究がされています。

目に効果的に取り込まれ、強い抗酸化作用を発揮するルテインは、加齢性黄斑変性の予防には最適なものであり、眼科学会でも加齢性黄斑変性の予防目的での摂取が推奨されているのです。

抗酸化作用

ルテインが効果を発揮する最大の理由は、その抗酸化作用にあります。

ルテインなどのカルテノイドは共益二重結合という構造を持っており、この共益二重結合が酸化物資の持つエネルギーを受け取り、発散させることによって攻撃性を低下させているのです。

人体は普通に生活をしているだけで、様々な外的ストレスにさらされており、光や食事などによっても活性酸素などの酸化物質は体内で発生してしまいます。

細胞が若ければ、この酸化物質によるダメージも回復できるのですが、加齢によって細胞の若さが損なわれてしまうと、徐々にダメージが蓄積してしまいます。

そのため、酸化物質に対抗するために、外部から抗酸化作用を持つ物質を取り入れる必要があるのです。ルテインには強力な抗酸化作用があり、目に対する効果以外にも、全身で作用すると言われています。

糖尿病の予防やがんの予防などにも効果がある可能性も示唆され、現在も研究が進められているのです。

摂取方法

ルテインは強い抗酸化作用と光吸収作用によって、目の健康を維持する効果が期待できます。人間の目にはもともと備わっているものではありますが、体内での合成はできないために外部から摂取することが必要です。ここで摂取方法について確認しておきましょう。

※FloraGLO(フローラグロー)という特許取得した高品質ルテインもあります。

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自然食品からの摂取

ルテインは自然界に存在している黄色色素の一種であるため、様々な食品から摂取することができます。

たとえばケールやホウレン草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれていますが、目の健康効果を発揮するためには相応の摂取量が必要となります。

ルテインとして最低でも1日6~10mg以上、できるのであれば20mg以上の摂取が必要となる為、ホウレン草では200g以上、ブロッコリーでは500g以上を食べなければいけません。

ルテインは脂溶性であるため、高脂質の食事と一緒に摂取することで吸収が増進されることが判明していますが、脂質を多くすれば高カロリーとなってしまうため、別な病気にも注意しなければいけません。

食事のみから健康を増進するだけの量を摂取するというのは、あまり現実的ではないと言えるでしょう。

サプリから摂取

自然食品から毎日相応の摂取量を得ることが現実的ではないため、ルテインを効果的に、そして確実に摂取するためには、サプリメントを活用するのがオススメです。

実際に治療の一環として、サプリメントの使用を患者に進めている眼科医も存在しています。白内障や加齢性黄斑変性の予防効果は、毎日継続して服薬しなければ得られないため、食品のみで摂取するよりもサプリメントを活用することを推奨しているのでしょう。

摂取することですぐに効果を発揮するタイプの栄養素ではありませんが、ブルーライトからの保護効果は比較的早期から発現するため、パソコンやスマホの使用頻度が高い人にもオススメの栄養素なのです。

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まとめ

人間は加齢からは逃げられません。年を重ねていく中で、体のあちこちにガタが出てくるものですが、それが目の場合に、白内障や加齢性黄斑変性という形で表れてきます。

現代はパソコンやスマホによって目の疲労は蓄積しやすくなっており、若年性白内障なども増加傾向にあります。ルテインは、これら目の酸化による症状を予防できる効果があるとして研究が進められており、実際に科学的な根拠も集まってきている栄養素なのです。

目の健康を心配するのなら、眼科学会も注目している栄養素であるルテインを試してみてはいかがでしょうか。

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