光視症とは
光視症とは、目に光の刺激がないにも関わらず、視界に光が差し込んだようなキラキラ・チカチカとした点滅を感じてしまったり、視界の隅に稲妻が走るような光が見えたりする症状を起こしてしまう疾病です。
網膜に何らかの刺激を受けることにより発生すると言われており、飛蚊症を同時に起こしていることがあるのも特徴の一つです。
飛蚊症については以下記事で詳しく解説しています。
症状
主な症状は光刺激がない状態にあっても、視界の中に光が差し込んだようなキラキラ・チカチカとした点滅を感じたり、稲妻が走ったような光を感じたりするものです。
原因と考えられるものは多数存在しており、その原因によって予後が異なるのが特徴です。特に心配する必要がない生理的なものもありますが、網膜剥離や緑内障などの目に原因疾患がある場合には、放置することで視力低下を経て失明してしまうこともあるために注意が必要です。
片頭痛や脳梗塞の初期症状として起きている場合もあり、そういった場合では視力低下などの心配はありませんが、内科などの専門医による原因疾患の治療が必要となります。
原因
光視症が起きる原因は、脳に伝達された刺激を光だと誤認してしまうことが挙げられます。
多くは硝子体の動きによって網膜に刺激が伝わり、脳がその動きを光と誤認しているものですが、脳内部に起きている刺激が光として視界に認知される場合もあります。それぞれの原因について確認していきましょう。
加齢
通常であれば硝子体は目の中で網膜と隙間なく位置していますが、加齢などの原因によって硝子体が萎縮・溶解してしまうことで網膜から剥離してしまい、その隙間の分だけ網膜が硝子体に引っ張られることによって光視症が起きることがあります。
硝子体が濁っていることで、目の中に入った光が乱反射してしまうことも光視症の原因の一つですが、硝子体自体が濁ってしまうことも加齢に起因する症状です。加齢による要因に加え、さらにストレスや過労などが強く影響することでも引き起こされてしまいますが、ほとんどの場合には長くても半年程度で症状は自然治癒するものです。
ただし、半年以上光視症の症状が持続している場合には慢性化してしまっている可能性が高く、慢性化すると網膜への負担が過度になってしまい、網膜剥離や網膜裂孔などの原因となることもあるため、注意が必要です。
眼疾患
光視症は目に何らかの疾患がある場合にも発生してしまいます。たとえば、緑内障やブドウ膜炎、眼底出血や網膜剥離が起きている場合の初期症状が、光視症や飛蚊症として現れてきます。
硝子体が濁ることや萎縮することなどが直接的な原因であることは変わりありませんが、そもそもの原因となる疾患がある場合には失明する可能性があるため、原因疾患に対する適切な処置が必要となります。
脳
網膜や硝子体に異常がない場合でも、光視症が現れることがあります。それは、光を認識している脳に問題がある場合です。
脳梗塞や脳出血などの原因で脳の働きに問題が生じ、その結果として光視症の症状が出る場合があります。片頭痛の前駆症状で起きる光視症もありますが、片頭痛は脳の神経と血管の双方から影響があって発症するものである為、血管の収縮や拡張によって脳に刺激が伝わり、光視症の症状が起きていると考えられます。
これらは目が原因のものではありませんが、原因疾患をしっかりと治療しなければ予後が非常に悪いものであるため、早急に治療する必要があります。
治療・予防
光視症には、改善できるような医薬品・サプリメントなどは存在していません。生理的に発生している光視症は心配ないものですので、定期的に検査をして眼底・網膜に問題が発生していないことが確認できれば、治療は必要ありません。
検査によって硝子体に病変が認められた場合や、網膜剥離や網膜裂孔などの病変が認められた場合には、手術をしていくこととなります。治療では主に、変性した硝子体を取り除く手術や、眼底出血などを予防するためのレーザー処置などが行われます。
目に病変がなく、脳に問題が発生していると思われる場合には、内科や外科による早急な対処が必要となります。抗血小板薬や抗凝固薬などの血流を改善する医薬品によって脳疾患を治療すれば、光視症の症状も落ち着くことでしょう。
光視症の症状が持続するのなら、自己判断はせずに眼科での診察を受けなければいけません。加齢による硝子体の濁りは酸化反応とも考えられるため、ルテインやカロテノイド色素などの抗酸化作用を持つ成分によって予防できる可能性はありますが、現状での医学的・科学的根拠は残念ながらありません。
まとめ
光視症は誰にでも起きる可能性があるもので、通常であれば失明などの心配もなく、自然治癒するものです。ですが、目に何らかの病変がある場合では失明の危険性もあり、脳に原因疾患がある場合には生命の危機となることもあります。
光視症の症状が頻度高く起きている場合や、長期間持続して起きている場合には、自己判断はせずにきちんと医師の診察を受けることが大切です。
※眼病・目の症状については以下についてもまとめています。
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