視界がチカチカ・ギラギラし、頭痛をともなうような場合は、閃輝暗点(せんきあんてん)の疑いがあります。
閃輝暗点とは
閃輝暗点(せんきあんてん)とは、視覚異常のひとつで、その多くが偏頭痛の前兆現象として現れます。
- 閃輝 → ひらめき輝き
- 暗点 → 視界の一部が見えなくなる
という、まさしく読んで字の如くの症状であり、定期的に悩まされることが多いです。
閃輝暗点の症状
- 視覚障害
- 片頭痛
- 吐き気・嘔吐
視覚障害
突然、視野(見えている範囲、視界)の中心付近に異常物体が見えるようなります。
Youtubeでイメージが公開されていますが、以下のような “モノ” が映り込みます。
この異常な “モノ” の症状は人それぞれですが、以下のように表現されることが多いです。
- 太陽を見た直後のギラギラ
- ガラス破片
- 光るギザギザ
- ノコギリのふち
- 視界の一部がユラユラ
- モノが歪んで見える
- キラキラした歯車
- 稲妻光線
- 光の波
このような閃光が視野中心部に集まると、視界の大部分が見えなってしまいます(暗点)。
閃輝暗点の恐ろしいところは、目を閉じたとしてもこの症状が起き続けることです。
片頭痛
これらの視覚障害が5~40分間ほど断続的に続き、その後、片頭痛が始まることが多いです。
ガンガンと頭が割れそうなくらいに激しい痛みを引き起こし、3~4時間も続きます。体を動かそうとすると痛みが増すので、じっとしていること以外できません。
吐き気・嘔吐
片頭痛に伴い、強烈な吐き気や嘔吐に襲われることもあります。
閃輝暗点の原因
視覚障害を引き起こす閃輝暗点ですが、眼球の異常が原因ではありません。
原因は、血流の変化です。
視覚障害の原因:血流の変化
血管の収縮と拡張によって、血流が変化することが原因です。
具体的には、心身の安定や心の安らぎを与えるセロトニンという神経伝達物質が大きく関係しています。
セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれており、血管を通って運ばれます。セロトニンが不足すると、片頭痛を始めとした体の不調を引き起こします。
- ストレスを感じる
- 脳がセロトニン放出
- セロトニンが血管へ
- 血流が急激変化
- 視覚野の血管が収縮・拡張
- 視覚障害・片頭痛
ストレスが溜まり、ほっと緊張がほぐれた時に特に起こりやすです。
また血管を収縮させることから喫煙(タバコ)、避妊用ピルなども原因の一つであるとされています。
閃輝暗点の療法
完治させる方法は確立されていませんが、緩和する方法はあります。
ストレス緩和
現代社会においては誰もが多かれ少なかれ持っているストレスを減らすことが、もっとも大切です。
個人によって大きく異なるので、ストレス解消方法については割愛しますが、自分が心から「楽しい!」と思えるような時間を増やすことです。
仕事や人間関係、お金やモノだけが人生ではありません。
他人が望む人生を生きてはいけません。あなたの人生の主人公は、あなたです。
サプリメント
亜鉛、カルシウム、マグネシウムを摂取すると、閃輝暗点が起こりにくくなります。
ほうれん草などの緑黄色野菜にも多く含まれていますが、日頃から手軽に摂取するにはサプリメントが便利です。
鎮痛薬
対処療法になりますが、ロキソニン、ハイペンなどの鎮痛薬によって片頭痛を緩和できます。
閃輝暗点になっている最中に服用しておくことで、その後起こる頭痛を和らげます。
間違いやすい目の症状
視界にチカチカ・キラキラとした “異物” が見える似たような症状として、「飛蚊症」と「光視症」があります。
閃輝暗点とは異なりますので、それぞれの特徴を把握しておきましょう。
飛蚊症
飛蚊症(ひぶんしょう)は、字の如く、目の中に蚊が飛んでいるように見える症状です。
硝子体(眼球内のゼリー状の部分)が濁っていることが主な原因とされています。
閃輝暗点は長くとも40分くらいで自然と落ち着きますが、飛蚊症は時間経過だけで症状がおさまることはありません。
詳しくは以下で解説しています。
光視症
光視症(こうししょう)は、光刺激がないのに、目がチカチカしてしまう症状です。
脳内部に起きている刺激が、本来は光ではないのに、光であると誤認してしまうことが原因の一つとされています。
詳しくは以下です。
閃輝暗点で頭痛がない場合
頭痛がない閃輝暗点の場合は、命にかかわる危険なサインです。
以下のような病気の疑いがあります。
- 脳梗塞
- 脳動静脈奇形
- 脳腫瘍
- 血栓
閃輝暗点になったのに頭痛がない時は、眼科や神経内科でCTやMRIによる精密検査を受診してください。
先述した通り、閃輝暗点と片頭痛はセットです。ほぼ必ず閃輝暗点になればその数十分後に頭痛が起きるはずです。
最後に
あの有名な芥川龍之介さんも、閃輝暗点に悩まされていたことを自著「歯車」の中で明かしています。
誰にでも起こります。明日は我が身です。
目を含め、自分の体は日頃から自分でケアしておくしかありません。
※眼病・目の症状については以下についてもまとめています。
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